NAP処理について

1.NAP処理について

30年以上射出成形業務に携わってきました。射出成形金型の永遠問題は、金型からの離型不良とガス腐食でした。そこで、一般的なショットブラストで離型不良とガス腐食改善に取り組みましたが、最小の凹凸形成がRa1㎛で、金型部品にエッジダレの発生と最終吹付の方向の凹凸形成が強調され、凹凸形成にムラが出て、製品寸法公差の発生と凹凸形成がRa1㎛では樹脂が完全に転写してしまい、離型性が悪く、ガス腐食の改善がありませんでした。その結果を考慮して、比重が低く、低圧吹付圧で均一凹凸形成が可能な特殊なメディア(投射材)の開発を行ってきました。その結果、現在では、NAK80、HPM38焼入れ素材の吹付圧は、0.04~0.08㎫と一般ブラストの吹付圧の10分の1で、金属素材、非金属素材の表面に均一なRa100~300nmナノ凹凸を形成する加工技術です。また、平面形状だけではなく、3D形状やφ0.5㎜以上の貫通穴の内部にも均一なナノ凹凸を形成することも可能です。NAP処理は登録第5726203号で商標登録しております。

 

2.NAP処理の親水性、親油性について

親水性の評価は,接触角計(Drop Master 100,協和界面科学(株))を用いて行いました。

詳細については、NAP処理による親水性,親油性付与の効果をご覧ください。

 

3.NAP処理の硬度変化について

金属(SKD61焼入れ鋼)では、NAP処理の鍛造効果で加工面下5~8μの範囲で硬度HV613がHV806に硬度アップする測定データを得る報告がありました。

 

4.NAP処理の離型性について

射出成形金型にナノ凹凸形成することにより、金型面と成形品面の間にナノサイズの未転写空気層が形成され、完全に密着せず、離型性改善を実現する

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