NAP処理によって形成される微細な凹凸表面について拡大観察を行いました。ここでは,ガラス(松浪硝子工業(株)製スライドグラス),高速度工具鋼(SKH51),超硬合金に対して,同一条件(メディアの種類,吐出圧)でのNAP処理を行い,走査型プローブ顕微鏡(Dimension Icon,ブルカー・エイエックスエス(株)製)を用いて,NAP処理前後の表面凹凸形状を観察しました( 図1)。NAP処理によって,どの素材も全面にわたって均一な凹凸が形成されており, NAP処理前の高速度工具鋼・超硬合金に見られた研磨痕も綺麗に除去されておりました。また, NAP処理によって形成される微細凹凸の算術平均粗さRaは,素材によって多少異なりますが,約 100~200 nmでした。
図2 NAP処理前後の各素材の表面凹凸形状【富山県工業技術センター資料】 (測定領域:□20μm,高さは4倍に強調して表示)